潮風の消える海に:感想
ずっと前から、事情につき書こう書こうと思っていたのですが、確認が済んでなくてずっと保留にしてたゲームのレビュー。
lightから2007年1月26日に発売された、「潮風の消える海に」です。
http://www.light.gr.jp/light/products/siokaze/
定価が3000円のいわゆる低価格ゲーで、非常にコンパクトにまとまった作品です。
最初に言っておきますと、私このゲームが以前から大好きです。
こういう雰囲気のある、オーソドックスな青春ものがエロゲやってて一番好きかも知らんね。
触手とかNTRとかそういうのは別腹だから!
ライターは早狩武志さん。僕と、僕らの夏・群青の空を越えてとlightで活動してきて、本作は3本目になりますね。
最近はあかべぇから出た恋ではなくも担当しています。余裕で積んでますけど、そのうち崩さなきゃいけませんね。
原画はぽよよんろっく(渡辺明夫)。何気にエロゲの原画はぽぽたん以来5年ぶりとなってます。
最近はちょいちょい活動してますけどね。
↓以下、面倒なのでストーリー概要を公式より引用。
神奈川県横浜市鶴見区に広がる工業地帯。
意味などない、ただの行き止まりの、詰まったクソみたいな場所。
誰も来ないはずのこの場所でぼんやりと海を眺めていた進は、偶然、この場所に訪れた東上浩介と出会う。
浩介はつまらなそうにしている進に話しかけ、水没したヨットの再生計画をもちかける。
「沈んでいるヨットを引き上げ、自分たちの手で再生して、何処か知らない場所に行きたい。」
そんなあまりに突拍子もない話をする浩介に惹かれ、進もヨットの修理を手伝うことになる。
さらに複雑な家庭環境にコンプレックスを持つ榎木田美潮と明るくて穏やかな飲み屋の娘の椎木莉佳子が
メンバーに加わり、4人はヨットを修理していく。
様々なトラブルやすれ違いが起こりつつも、4人はそれを乗り越え、絆を深めていく。
そして、進は自分と同じようなコンプレックスを持つ美潮にだんだんと惹かれ始めていき…
はたして4人は無事ヨットを完成させ、旅立つことができるのだろうか――?
メインとなる登場人物は4人。
主人公の宮地 進(CV:木島 宇太)。↑の絵の左から2番目のやつですね。
このゲームは珍しいことに、全てのセリフ付きの登場人物に声があります。
すべての物語が、この主人公の視点から進みます。
両親は離婚しており父子家庭で、進学校である川崎国際こ…(ry 学園に通う1年製ですが、
自分の置かれている状況への反発から、学校をサボり「行き止まりの駅」にて一人佇んでるところを、
↓の浩介に話しかけられることから物語は始まります。
メンバーのリーダー的存在で、友人となる東上 浩介(CV:杉崎 和哉)。
この浩介が、ヨット再生計画を持ちかけてきて、物語は始まります。
鶴見工業…学園?に通う1年生で、脳天気で突拍子もないことを言い出す人間ですが、器量が大きく、
エロゲの学園モノによくある、3枚目タイプの親友とは違います。
飲み屋の娘で、2人と知り合い計画を手伝うことになる椎木 莉佳子(CV:佐本 ニ厘)。
聖ヨハネス学園に通う同じく1年生で、明るく社交的な娘です。
そしてこのゲームのヒロインで、
沈んでいるヨットを引き上げる計画を浩介と練っている際出会った榎木田 美潮(CV:安玖深 音)
莉佳子と同じく聖ヨハネス学園の1年生で、お嬢様然として人前では外面がいいのですが、
主人公や仲間の前では、強気で強情でわがままな一面を見せます。
主人公と同じく、複雑な家庭事情をもち、感傷を共有し、惹かれ合う事になります。
上に書いてあるとおり、「ヒロイン」です。莉佳子はそうではありません。
つまり、攻略対象は美潮のみ、というか、ゲーム中に選択肢は一切存在しない一本道の電子ノベルとなっています。
初見で莉佳子を気に入った方はご愁傷様。
こういう形式は、パッと思いつく限りではニトロプラスの鬼哭街くらいですね。
低価格帯だから許されることでしょうか。
BGMなんかは、以前紹介したしたさかしき人にみるこころと同じく、
僕と、僕らの夏やらDear My Friendからの使い回しとなっております。
「さかここ」みたいに背景まで使いまわして無いだけまだマシです。
前も言いましたが、採算ラインに載せるために、こういうやり方は有りだと思います。
その分、このゲームはグラフィック面、シナリオ面で質の高いものが備わっているため、十分です。
また、BGMが使い回しとはいっても、
EDに使われている「セイリング」(Vo.WHITE-LIPS)とそのアレンジBGMは大変出来がよく、気になりません。
特に私は、WHITE-LIPSがあらゆる歌手の中でも、
Ducaとどっちが好きか小一時間悩んだ後に一番好きと答える程度には好きなので、
何の問題もありません。
さて、内容のほうですが、4人が出会った1年生の夏から始まり、3年の夏まで続きます。
というと長く感じますが、ヨットを題材にしている関係上、夏以外の季節は
大まかな流れが独白で語られるのみで、すっ飛ばしてしまうため、それほどでもありません。
セリフを全部聞いても最後まで10時間かからないんじゃないかな?
というわけで、一本道な上に短いゲームなので、ストーリーについて触れちゃうともったいないためそこはスルー。
複雑な家庭環境におかれた2人の青春活劇なのですが、
最終的には、物語に誰も悪い人、というのが一人も出てこない温かい物語です。
いや、主人公の母親とあともう一人ダメな人はいるんですが、その2人はセリフないので…。
あともう1つ、セックスシーンの物語上の存在意義ですね。
大体シナリオメインのゲームというのはそれがおざなりに成りがちですが、
このゲームのように物語上、というか主人公と美潮の関係に重要な意味を与えてこそ18禁の意味があると思いま
す。
それに意味がないようなら、エロ抜いてラノベやらギャルゲでいいやん?となってしまうわけですが、
それ無しでは成立し得ないからこそエロゲーなんです。
えーと、長くなってしまいましたが、
もう1度いいますが、私はこのゲームが大好きです。
1本道前提だからこそ出来るまとまりのある話だとは思います。
複数ヒロインのあるルートで、「出会った時からこいつのことが…」とかいっちゃったら
「おいおい何じゃそら?」ってなっちゃいますしね。
↑の絵をみても分かる通り、残りの2人もなんだかんだあってくっついちゃいます。
全てが丸く収まり、なおかつそれが不快にならない大変な良作だったと個人的には思います。
気合入った力作、というわけではないので傑作とまではいいませんが。
渡辺明夫さんの絵が好きな方、青春時代の青臭い感覚を味わいたい方、
アグミオンやふーりんに罵られたい方などなど、プレイしてみるといいのではないでしょうか。
まだまだ続くんじゃよ?
http://www.light.gr.jp/light/products/siokaze/
定価が3000円のいわゆる低価格ゲーで、非常にコンパクトにまとまった作品です。
最初に言っておきますと、私このゲームが以前から大好きです。
こういう雰囲気のある、オーソドックスな青春ものがエロゲやってて一番好きかも知らんね。
触手とかNTRとかそういうのは別腹だから!
ライターは早狩武志さん。僕と、僕らの夏・群青の空を越えてとlightで活動してきて、本作は3本目になりますね。
最近はあかべぇから出た恋ではなくも担当しています。余裕で積んでますけど、そのうち崩さなきゃいけませんね。
原画はぽよよんろっく(渡辺明夫)。何気にエロゲの原画はぽぽたん以来5年ぶりとなってます。
最近はちょいちょい活動してますけどね。
↓以下、面倒なのでストーリー概要を公式より引用。
神奈川県横浜市鶴見区に広がる工業地帯。
意味などない、ただの行き止まりの、詰まったクソみたいな場所。
誰も来ないはずのこの場所でぼんやりと海を眺めていた進は、偶然、この場所に訪れた東上浩介と出会う。
浩介はつまらなそうにしている進に話しかけ、水没したヨットの再生計画をもちかける。
「沈んでいるヨットを引き上げ、自分たちの手で再生して、何処か知らない場所に行きたい。」
そんなあまりに突拍子もない話をする浩介に惹かれ、進もヨットの修理を手伝うことになる。
さらに複雑な家庭環境にコンプレックスを持つ榎木田美潮と明るくて穏やかな飲み屋の娘の椎木莉佳子が
メンバーに加わり、4人はヨットを修理していく。
様々なトラブルやすれ違いが起こりつつも、4人はそれを乗り越え、絆を深めていく。
そして、進は自分と同じようなコンプレックスを持つ美潮にだんだんと惹かれ始めていき…
はたして4人は無事ヨットを完成させ、旅立つことができるのだろうか――?
メインとなる登場人物は4人。
主人公の宮地 進(CV:木島 宇太)。↑の絵の左から2番目のやつですね。
このゲームは珍しいことに、全てのセリフ付きの登場人物に声があります。
すべての物語が、この主人公の視点から進みます。
両親は離婚しており父子家庭で、進学校である川崎国際こ…(ry 学園に通う1年製ですが、
自分の置かれている状況への反発から、学校をサボり「行き止まりの駅」にて一人佇んでるところを、
↓の浩介に話しかけられることから物語は始まります。
メンバーのリーダー的存在で、友人となる東上 浩介(CV:杉崎 和哉)。
この浩介が、ヨット再生計画を持ちかけてきて、物語は始まります。
鶴見工業…学園?に通う1年生で、脳天気で突拍子もないことを言い出す人間ですが、器量が大きく、
エロゲの学園モノによくある、3枚目タイプの親友とは違います。
飲み屋の娘で、2人と知り合い計画を手伝うことになる椎木 莉佳子(CV:佐本 ニ厘)。
聖ヨハネス学園に通う同じく1年生で、明るく社交的な娘です。
そしてこのゲームのヒロインで、
沈んでいるヨットを引き上げる計画を浩介と練っている際出会った榎木田 美潮(CV:安玖深 音)
莉佳子と同じく聖ヨハネス学園の1年生で、お嬢様然として人前では外面がいいのですが、
主人公や仲間の前では、強気で強情でわがままな一面を見せます。
主人公と同じく、複雑な家庭事情をもち、感傷を共有し、惹かれ合う事になります。
上に書いてあるとおり、「ヒロイン」です。莉佳子はそうではありません。
つまり、攻略対象は美潮のみ、というか、ゲーム中に選択肢は一切存在しない一本道の電子ノベルとなっています。
初見で莉佳子を気に入った方はご愁傷様。
こういう形式は、パッと思いつく限りではニトロプラスの鬼哭街くらいですね。
低価格帯だから許されることでしょうか。
BGMなんかは、以前紹介したしたさかしき人にみるこころと同じく、
僕と、僕らの夏やらDear My Friendからの使い回しとなっております。
「さかここ」みたいに背景まで使いまわして無いだけまだマシです。
前も言いましたが、採算ラインに載せるために、こういうやり方は有りだと思います。
その分、このゲームはグラフィック面、シナリオ面で質の高いものが備わっているため、十分です。
また、BGMが使い回しとはいっても、
EDに使われている「セイリング」(Vo.WHITE-LIPS)とそのアレンジBGMは大変出来がよく、気になりません。
特に私は、WHITE-LIPSがあらゆる歌手の中でも、
Ducaとどっちが好きか小一時間悩んだ後に一番好きと答える程度には好きなので、
何の問題もありません。
さて、内容のほうですが、4人が出会った1年生の夏から始まり、3年の夏まで続きます。
というと長く感じますが、ヨットを題材にしている関係上、夏以外の季節は
大まかな流れが独白で語られるのみで、すっ飛ばしてしまうため、それほどでもありません。
セリフを全部聞いても最後まで10時間かからないんじゃないかな?
というわけで、一本道な上に短いゲームなので、ストーリーについて触れちゃうともったいないためそこはスルー。
複雑な家庭環境におかれた2人の青春活劇なのですが、
最終的には、物語に誰も悪い人、というのが一人も出てこない温かい物語です。
いや、主人公の母親とあともう一人ダメな人はいるんですが、その2人はセリフないので…。
あともう1つ、セックスシーンの物語上の存在意義ですね。
大体シナリオメインのゲームというのはそれがおざなりに成りがちですが、
このゲームのように物語上、というか主人公と美潮の関係に重要な意味を与えてこそ18禁の意味があると思いま
す。
それに意味がないようなら、エロ抜いてラノベやらギャルゲでいいやん?となってしまうわけですが、
それ無しでは成立し得ないからこそエロゲーなんです。
えーと、長くなってしまいましたが、
もう1度いいますが、私はこのゲームが大好きです。
1本道前提だからこそ出来るまとまりのある話だとは思います。
複数ヒロインのあるルートで、「出会った時からこいつのことが…」とかいっちゃったら
「おいおい何じゃそら?」ってなっちゃいますしね。
↑の絵をみても分かる通り、残りの2人もなんだかんだあってくっついちゃいます。
全てが丸く収まり、なおかつそれが不快にならない大変な良作だったと個人的には思います。
気合入った力作、というわけではないので傑作とまではいいませんが。
渡辺明夫さんの絵が好きな方、青春時代の青臭い感覚を味わいたい方、
アグミオンやふーりんに罵られたい方などなど、プレイしてみるといいのではないでしょうか。
まだまだ続くんじゃよ?
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カテゴリ : うぐいすパン:エロゲ感想
テーマ : ゲーム・アニメ・漫画
ジャンル : アダルト
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